【調査結果】「浮気OKな関係」を支持する率はノンケよりゲイがはるかに高い

1対1の関係を望む人もいれば、浮気ならOKという関係を望む人もいる。ゲイ・バイ男性の場合は後者の方が多くない? と、かなり高い割合で経験上から推測している人がいそうだ。最近米国で発表された調査結果で、その推測が正しいことが判明した。

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「複数性愛」という考え方とは

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「ポリアモリー」という言葉をご存知だろうか? これは「複数性愛」という意味を持つ言葉で、1990年代に作られ、欧米で広まりつつある考え方だ。

「複数性愛」とは、パートナーがいても別な人とも交際するのだが、単なる浮気と異なるのは「関係者全員の合意を得た上で、それぞれと誠実な関係を築く」ことにある。

この考えの元になったのは、1973年に米国の社会学者のオニール夫妻が『オープン・マリッジ:新しい結婚生活』という本を出版して提唱したものだ。オープン・マリッジとは、夫婦が所有欲・独占欲・嫉妬心に妨げられず自由に愛人を作れる、社会的・性的に独立した個人を認め合う結婚のスタイルのこと。

欧米のセレブの中には「ポリアモリー」であることを公言して、オープン・マリッジを実践している人もいる。

たとえば、お互いを夫婦ではなくライフ・パートナーと呼び合うというウィル・スミスとジェイダ・ピンケット。女優のモニーク夫妻は、モニークがリードする形で実践しているという。女優のグウィネス・パルトロウは、「オープン・マリッジ」を条件として再婚に合意したそうだ。

また結婚していないカップルでも、相手が他の人と恋愛および性的な関係になることを受け入れることを「オープン・リレーションシップ」と呼ぶ。この考えはオープン・マリッジと同じく1970年代以降認識されるようになってきた。

そしてオープン・リレーションシップは、欧米のみならず世界中の多くのゲイ・バイ男性の間で浸透してきている。ちなみに、厳密には同居するカップルに使われる言葉のようだが、ゲイの間では同居していないカップルにも用いられている。

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ゲイはオープンな関係を支持する人が多い

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米国ワシントンのシンクタンク「ピュー・リサーチ・センター」は最近、オープン・マリッジに対するアメリカ人の見解に関する調査結果を発表した。全体では33%がオープン・マリッジを容認しているという結果になった。

しかし、この結果は年齢によって割合に大きな違いが生じた。18歳から29歳では51%がオープン・マリッジを支持しているが、50歳から64歳では26%、65歳以上になると15%と支持率が減少する。

では年齢ではなく、セクシュアリティのフィルターで分けてみるとどうなるだろうか? なんとゲイやバイ男性の場合、75%がオープン・マリッジ(もしくはオープン・リレーションシップ)であることを適切だと答えた。

ゲイ・バイ男性の中では、かなりの割合でオープン・マリッジ(もしくはオープン・リレーションシップ)を実践している人がいることは以前から知られている。2021年の調査では、ゲイ男性の30%がオープンな関係にあることがわかった。サンフランシスコ州立大学が2010年に実施した調査では、ゲイ男性の半数が浮気OKの関係だった。

調査によって割合にばらつきがあるが、おそらく真実は、たいていのことと同じように中間のどこかにあるのだと考えられる。

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ゲイがオープンな関係を望む理由

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では、ゲイ・バイ男性がオープンな関係を受け入れる率が高い理由はどこにあるのだろう? 米国のゲイ・バイ男性の利用者が多いあるネット・フォーラムで、興味深い理由がみつかったので紹介する。

単純に性的嗜好を理由とする人もいる。

「現在、私はある男性に調教されているドMですが、S氏のパートナーは激しい行為には興味がないようです。S氏は私と一緒に変態な行為を楽しみ、その後、S氏とパートナーはバニラなセックスを楽しみます。性的欲求のニーズは人によってさまざまで、必ずしもすべてがパートナーと一致するとは限らないのです」

人生のさまざまなニーズを満たすためにオープンな関係を選択する人もいる。

「たとえパートナーが最優先の人生であったとしても、複数の人と愛情に満ちた親密な関係を築ける人もいる」

オープン・リレーションシップを選択する男同士のカップルは、どうやって信頼関係を築き維持しているのだろうか。当然のことだが、そのルールは人それぞれだ。体だけの関係なら問題ないがそこに感情が入ると受け入れられないという人もいれば、なにより透明性が重要だと考える人もいる。

このような複雑さがある中で最も成功したオープンな関係は、共に人生の浮き沈みを経験した成熟したパートナー同士なのかもしれない。

「私が見てきたオープンな関係で最も成功しているのは、若い不安定なカップルではない。共に幾多の経験を重ねながら信頼関係を築いてきた熟年の男たちのカップルだ」

これはたしかに説得力のある意見だと思える。ゲイ・バイ男性の交際に、決められたルールがあるわけではない。だからこそ、お互いの希望をきちんと話し合い、納得できる関係性を構築していくことが必要だ。

※参考記事:QUEERTY

(冨田格)

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