【ゲイ雑誌を超えた?】ヴィンテージ”家トレ”広告に漂うゲイ濃度の高さ

少年時代、マンガ雑誌の巻末に載っている広告の筋肉男の写真が気になって仕方なかった覚えはないだろうか。フィットネスという言葉も知らなかった時代の、レトロな「家トレ(筋肉増強)」広告の妖しく魅力的な世界を振り返る。

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マンガ雑誌の広告がマッチョとの出会い

ヴィンテージ”家トレ”広告のゲイ濃度
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思い出してほしい。バブル以前の昭和時代は今のようにフィットネスや筋トレで通えるジムなどなかったことを。あるのは、大半の人には敷居の高い本格的な「ボディビル・ジム」か、設備がそこまで充実していない公立の運動施設のみ。

しかし、昭和の時代にも肉体を鍛え、筋肉をつけたいという男たちはいた。そんな男たちの選択肢は「家トレ」一択。腕立て伏せや腹筋、スクワットなど自重トレーニングに精を出していた。

とはいえ自重トレーニングではなかなか効果が現れないもの。そこで、さまざまな「家トレ」アイテムが流通していた。例えば鉄アレイ(ダンベル)やエキスパンダーなど、そして誰もが知る存在だったのが「ブルワーカー」だ。

ヴィンテージ”家トレ”広告のゲイ濃度
BULLWORKER(ブルワーカー) X5 「ハードタイプ」 ※現在購入可能

少年マガジンや少年ジャンプなどの巻末には、毎週のように「ブルワーカー」の広告が掲載され、筋肉質な体を目指すノンケ少年たちの憧れのアイテムとなっていった。

そして、男が好きなゲイ少年たちにとっては「ブルワーカー」本体以上に、広告モデルの白人マッチョな男性が別な意味での憧れの対象となったものだ。

ヴィンテージ”家トレ”広告のゲイ濃度
ブルワーカー広告
ヴィンテージ”家トレ”広告のゲイ濃度
ブルワーカー広告
ヴィンテージ”家トレ”広告のゲイ濃度
ブルワーカー広告

今のようにインターネットがない時代は、逞しい男の裸体を目にする機会は非常に少なかった。だからこそマンガ雑誌に掲載される「ブルワーカー」広告のマッチョな肉体に胸をときめかせ、どこか妖しいエロティシズムを覚えた。

これは、日本だけのことではなかったようだ。

米国は「筋肉増強」ハウツー本の広告が熱い

ヴィンテージ”家トレ”広告のゲイ濃度
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フィットネス先進国の米国でも、ワークアウトが国民的ブームになったのは1980年代になってからのこと。

1970年代後半から1980年代前半にかけて、家庭用ワークアウトのビデオと有名人のフィットネス推しが台頭した。1981年にオリビア・ニュートン=ジョンのシングル『フィジカル』が、そして1982年には有名女優のジェーン・フォンダのエクササイズ・ビデオ『ジェーン・フォンダのワークアウト』が大ヒット。

そのブームによって、米国でもフィットネス・ジムが一気に増えていった。しかしそれ以前は、ランニングや本格的な「ボディビル・ジム」しかないという状況で、バブル以前の日本と同じようなものだったそうだ。

そんな時代は日本のマンガ雑誌と同じように、アメコミ雑誌にはいくつかの簡単なステップを踏むだけで筋肉質な体になり、学校でも体育会生徒たちの羨望の的になることができるという「筋肉増強」のハウツー本の広告が掲載されていた。

悲しいことに、このハウツー本はまったく現実的ではなかった。

たとえば、1974年発行のチャールズ・アトラスのマニュアル本「ダイナミック・テンションがあなたをNEW MANにする方法!」はたった数回のレッスンで98ポンドの弱虫から燃える男の塊になれるという、非現実的すぎる内容だったという。

本気で肉体を変えていくという目的では役に立たないこの手のハウツー本だったが、今よりはるかに閉鎖的でゲイであることをひた隠しにして生きていた米国のゲイたちにとっては別な意味で重宝される存在だった。

当時のクローゼットなゲイたちの心と股間を熱くした「筋肉増強」広告を紹介しよう。

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非現実的な即効性を謳うマンガ広告
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これはむちゃくちゃゲイ濃度高め
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「MAKE A MAN(男になれ)」とは挑発的なコピー
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この腕の太さは魅力的! 
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米国でも「ブルワーカー」は人気

クールすぎずどこかヤボったい雰囲気が、なんとも好ましい。直接的なゲイ表現ではないが、いやむしろそれだからこそセクシーな妄想を広げることができたのかもしれない。

※参考記事:INTO

(冨田格)

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