【ゲイとサル痘】日本のゲイ・バイ男性がサル痘に感染するとヤバい理由
欧米と違い、日本では感染報告が4例あるものの国内での感染拡大には至っていない。このまま抑え込めるなら何よりだが、感染拡大する可能性も決して否定できない。
感染拡大する前に考えておきたいことは、「自分が感染したことに気づかないまま、他人を感染させてしまったら」ということだ。
<目次>
・抑えておきたいサル痘に感染したらヤバいこと
・ルームシェアや寮に住んでいたらヤバさが倍増
・既婚ゲイが知らぬ内に感染したらヤバさが激増
・「ゲイとサル痘」ついに日本上陸!パニックになる前に必読の基礎知識
抑えておきたいサル痘に感染したらヤバいこと
まずは「ゲイ・バイ男性がサル痘に感染したらヤバい理由」の基本を抑えておこう。
■現在はゲイ・バイ男性を中心に広がっていること
5月にスペインのカナリア諸島で開催されたプライド・イベントや、スペインのハッテン場、そして5月にベルギーで開催されたレザーゲイが集まるフェチ・イベントなどの参加者・利用者からサル痘を発症した人が多く見つかったこと。
そして、以降、欧米のゲイ・バイ男性を中心に感染拡大しているために「サル痘=ゲイ・バイ」というイメージがすでに定着している。
■顔にも発疹が出るので、歩くカミングアウト状態
サル痘特有の発疹は顔や腕など人から見える部分に出る場合が多く、そうなると隠すことは難しい。
■クローゼットは周囲にバレる
もし家族や友人、会社などでゲイであることを隠しているクローゼットな人の場合、サル痘を発症すると、ゲイ・バイだと周囲の人に思われる可能性が非常に高い。
■浮気で感染したら速攻バレる
もし恋人や、既婚ゲイ・バイの場合は配偶者に隠れてこっそり浮気をして感染・発症した場合、まず100%の確率で浮気がバレてしまい、自主隔離に加えて精神的にも針のむしろ状態になる可能性が非常に高い。
■長期の自主隔離で社会生活に影響
サル痘を発症して、発疹がかさぶたになって落ちるまで2~4週間の自主隔離をせざるを得なくなった場合、誰もが感染する可能性があるコロナと違い、会社や学校など周囲からは厳しい・冷たい視線を浴びせられる可能性が非常に高い。
ゲイ・バイ男性がサル痘に感染すると、上記の「ヤバさ」があると想定できる。個人差はあるが激痛に苦しむ例も報告されているので、症状面での「ヤバさ」もあることは考えておきたい。
・「ゲイとサル痘」ゲイの間で感染拡大した理由を海外の実例から考える
ルームシェアや寮に住んでいたらヤバさが倍増
もしあなたが一人暮らしなら、サル痘に感染しても2~4週間の自主隔離をすればそれで済むのかもしれないが、一人暮らしではない場合は異なる次元の「ヤバさ」があることを認識しておこう。
その「ヤバさ」とは、「あなたが誰かに感染させてしまうかもしれない」可能性だ。
サル痘の感染ルートは下記のように考えられている。
・患部の膿との直接接触
https://wired.jp/article/everything-you-need-to-know-about-monkeypox/
・感染者の衣服との接触
・タオルやシーツなどリネン類の共有
・呼吸器飛沫の吸入
・今回の流行では、皮膚同士が接触する可能性の高い性的接触が感染経路のひとつとなっている
あなたが友人とルームシェアしていたり、会社の寮などに住んでいる場合、性的接触以外の理由で生活を共にする人に感染させる可能性が大きいことを忘れてはならない。
「2022年6月29日サル痘最新ニュース ゲイ・バイ男性に広がるサル痘の症状は発疹が局部や肛門から始まる場合もある」という記事で紹介したが、現在感染拡大している人の中には「発熱から始まり顔や全身に発疹が現れる」という典型的なサル痘の症状ではない例も報告されている。
発熱もないまま、自分では見えないところに発疹が現れて特に痛みもなければ、自分がサル痘に感染している自覚もないはずだ。その状態で感染以前と同じように生活していたら、周囲の人に感染させるリスクは非常に高い。
ワンルームでのルームシェアの場合は「自主隔離」することは不可能。また自室があるにしても、トイレ・浴室・洗濯機などの共有スペースでの感染予防は、かなり困難だと考えられる。
会社などの寮に住んでいる場合、誰とも接触せずに自分の部屋で2~4週間の自主隔離が可能なのかということも考えておく必要がありそうだ。
・「サル痘は激痛」高熱と激痛に襲われながら孤独で苦しんだ2週間の話
既婚ゲイが知らぬ内に感染したらヤバさが激増
ルームシェアや会社の寮などで成人と生活を共にしている場合でもサル痘に感染した場合の「ヤバさ」は一人暮らしと比べれば遥かに大きいのだが、家族と暮らしている場合の「ヤバさ」はさらに大きい。
たとえば高齢の親と同居している場合、高齢者に感染させる危険性とともに、2~4週間も自主隔離が可能であるか考えておきたい。親が介護が必要な状態であれば、あなたがサル痘に感染したら在宅介護の生活が破綻するだろう。
既婚ゲイが感染した場合の「ヤバさ」も相当に深刻だ。
サル痘の症状が出たことで家庭内で自主隔離する必要が生じたら、それは自動的にゲイだとカミングアウトすることになり、2~4週間の自主隔離中も、もしくはそれ以降も針のむしろ状態におかれることは確実。
さらに「ヤバい」状況は、あなたを介して奥さんや子供さんが感染した場合だ。すでに欧米では、幼児など子供への家庭内感染が疑われる例が報告されている。家族全員が感染したら悲劇だが、それにより家族関係を維持することが難しくなる可能性も考えておかねばならないだろう。
致死率が高くないし自然治癒するから感染しても大丈夫、とサル痘を楽観視するのはとても危ない。その「ヤバさ」を理解して、感染しないよう十分に気を付けることが重要だ。
ジオ倶楽部ではこれからも継続して「サル痘」の情報を発信していく。
(冨田格)
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